新田神社 ― かつての薩摩国一宮 ―

(写真: 桜並木から続く参道の入り口)

桜の季節には多くの人でにぎわう人気の花見スポットでもある新田神社。
その桜並木から続く大きな参道からもその歴史をうかがい知ることができます。

かつては薩摩の国一の宮(薩摩の国で最も社格の高いとされる神社)。
とは言え、この点については枚聞神社との間で相論が起こっており、最終決定はされていないそうです。しかし、一の宮の決定とは無関係としながらも、島津忠宗は、剣、神馬を新田神社に奉納。これは事実上一宮は新田神社と認める行為でした。

さて、相論はさておき、ここ新田神社を訪れてみると、さすがにその風格に一の宮を意識せずにはおれません。

参道入り口の鳥居をくぐると忍穂井川(しおいがわ)にかかる石造りの降来橋(こうらいばし)、そして、その向こうに神亀山。この山に新田神社と可愛山陵(えのやまのみささぎ)が鎮座しています。

そもそもこの新田神社は「瓊瓊杵尊」(ニニギノミコト)の墓を祀ったのが創始とされているそうで、明治7年(1874年)7月10日、明治天皇の裁可を経て可愛山陵(えのやまのみささぎ)は「瓊瓊杵尊陵」の指定を受け、大正3年(1914年)に宮内省直轄となっています。

可愛山稜。新田神社の参道の階段を上りきったところから右の道をたどっていくとここにぬけられます。神亀山の5分の4が陵墓の領域だそうです。この前に立ってみると、神社とは違った空気に驚かされます。ここには昭和天皇はじめ皇族が9回参拝しているとか。

さて、陵墓と同じ山に立てられている新田神社。
参道の階段の途中には三宮が祀られています。

左から早風神社(御祭神は、級長津彦神・級長津姫神)、
中央神社(御祭神は、大山祗神)、高良神社(御祭神は、天鈿女命) 。

さらに現代においてさえ不思議な逸話をうんだガラッパ像。

イザナギ河童とイザナミ河童。
ここ薩摩川内市にはいわゆるパロディ王国(地域おこしのために擬態化した国家組織と運営を取り入れて展開する活動)があります。それが「川内がらっぱ共和国」。
鹿児島では河童のことを「がらっぱ」と呼びます。(河童より手足が長い別の妖怪という説もあり)
さて、この川内がらっぱ共和国建国式当日、この2体のがらっぱ像は見世物としてお祭り広場に飾られていたのですが、制作者も担当者も知らぬ間に用意されていた高台にすまして入魂の儀を終え鎮座していたのだとか。
そんな不思議ながらっぱ様。開運、願望援受、魔除け、商売繁盛、災難逃れなどに御利益があるとか。

さらに石段を登っていくと大楠が。
樹齢650~800年と推定されています。

地上2mのところに大穴牟遅神の木造彫刻があるそうですが、どうしても見えませんでした。
あと60~70cmほど背が高かったらその彫刻を拝むことができたのに。

石段を登りきったところには両側に愛嬌ある狛犬が座っています。

これがまた不思議な雰囲気を持つ像で、なんだか話しかけたくなってしまいます。
説明書きによると、「子だき狛犬(安産狛犬)」と呼ばれるそうで、安産に大変霊験があり、安産を願う人はこの狛犬の頭をなでるとよいのだそうです。

さて、ようやく新田神社の御本殿にたどり着きました。

「新田」の名は、瓊瓊杵尊が川内川より水をひいて新しく水田をつくったことに由来するのだそうです。
この神社は家内安全、事業繁栄、交通安全、商業繁栄、入試合格、漁業繁栄、心身健康などの御利益があるそう。

1月7日には武者祭、入梅(6月10日)のころにはお田植え祭、7月28日には御神鏡清祭が開催されます。

新田神社の詳細情報はこちら↓
http://kic-update.com/travel/%E6%96%B0%E7%94%B0%E7%A5%9E%E7%A4%BE/

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