今年で第4回目の開催となる「かごしま語っ場―」。
マルヤガーデンズの屋上階には、さまざまな職業や年齢層の方々が集い、ゲストスピーカーの方々の、バラエティあふれるおもしろくて、目からウロコがおちるようなお話に耳を傾けました。そして、ゲストスピーカーから出されるディスカッションテーマに沿って、参加者それぞれのアイディアや意見を3人から5人のグループに分かれて自由に出し合いました。
今回は、Part2として、お2人目のゲストスピーカー・ヒラノマリナさんのスピーチ内容をお届けします。
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ヒラノマリナさんのキーノートスピーチ
ヒラノマリナさんの経歴
さまざまな面からアプローチして女性の美しさをプロデュースすることを目指す(株)MarUnitedの代表であり、メイクアップアーティストのヒラノマリナさん。
鹿児島純心高校を経て東京の山野美容専門学校を卒業後、単身ニューヨークへ。ニューヨークでは、海外の雑誌・広告などをてがけ、2009年に帰国。
女性だけのクリエイティブチーム(株)マールユナイテッドを設立し、さらに2012年にはスキンケアブランド「マールアペラル」を立ち上げます。
鹿児島美人計画、東京さつまつり、JAZZコンサート「ONE」など、東京と鹿児島を行き来しながら、メイクアップと女性目線を生かしたイベントや企画も長年続けていて、それぞれ毎回好評です。
(株)マールユナイテッドのウェブページはこちら
キーノートスピーチ
第一の目標「海外に住む」ためのアイディアあふれる貯蓄術
「メイクの筆を持っていればそんなに緊張しないんですけど、ちょっと今、緊張しています」と、メイクアップアーティストならではの挨拶で始まったヒラノさんのスピーチ。
まずは、軽く経歴に触れます。山野美容学校を卒業後、東京の事務所で3年間修業を積まれたそうです。そのうち、海外に住みたいという目標ができたので、それを叶えるべく、フリーランスになりお金を貯めようと決心、行動に移されたそうです。
築80年の一軒家を借りて友人5人とシェアしたり、歌舞伎町に当時あったコマ劇場でストリートメイクをしたり、家を改良してバーを作ったりしてお金を貯めたというから、その発想力にのっけから驚かされました。
いよいよニューヨークへ
そうやってお金を貯め、いよいよ単身ニューヨークへ。
しかし、渡米直後に強盗事件に遭遇。顔を14針も縫うという被害にも遭うのですが、その際のヒラノさんの考えにも驚愕です。
「おかげさまで鹿児島育ちだったので、桜島も灰が降るから何でも大丈夫さー」
そんな気持ちで強盗事件も乗り越え、2年半アメリカでヘアメイクの仕事に携わったそうです。
ニューヨークでは、今でもつながっている多くの貴重な出会いがあったとか。さまざまな生き方や考え方をもつ多様な人種のお友だちと、本当に充実した日々を送られたそうです。
鹿児島をからめたイベント「東京さつまつり」
29歳で帰国したヒラノさんは、女性だけのクリエイティブチーム(株)マールユナイテッドを設立。会社経営に携わるなか、ここでもさまざまな出会いがあり、また、アイディアも生まれてきたそうです。
そのうち、鹿児島をテーマにした活動を開始。鹿児島をからめたイベントを始めた理由は、「大好きな鹿児島のおいしいものなどを東京の友だちに紹介して食べさせたい」。
意外にシンプルな気持ちから始まったのですね。そこで、ニシムタに行き、あくまきを買い、かるかんを買い、さつま汁を手作りし、中目黒のバーを借りきり、「東京さつまつり」と銘打ったイベントを始めたそうです。次回で10回目を数えるという当イベント。10回目はさらに気合を入れてやってみたいと、ヒラノさん。
「鹿児島が好き、鹿児島のおいしいもの、自然、大好きな家族や友だちを自慢したい」という気持ちが活力となって、鹿児島に関連するイベントを続けているのだとか。
「鹿児島は、好き、好き、大きらい」
ほかにもいろいろな活動を鹿児島や東京でやってきて、現在7年ほど。7年も鹿児島のことを考えていると、ついには鹿児島に対して、
「好き、好き、大きらい」
という気持ちに。鹿児島が好きすぎて、あまり好きじゃないみたいな複雑な感情が芽生えた時期もあったけれど、その理由を考えてみたら、鹿児島はヒラノさんにとって家族みたいなものだからという結論に達したのだそうです。
「家族って、いらっとすることがあったり、すごく愛おしくなることがあったり。」
鹿児島全体が家族、というその壮大な考えにも打たれました。
「個性を生かす。鹿児島のいいところを生かす」
ヒラノさんは、人をきれいにするという仕事に携わって16年。そのなかで、鹿児島を世界一美人の多い街にする「鹿児島美人計画」というスキンケア、メイクレッスンのイベントを開催しています。ひとりひとりの個性を伸ばして、メイクを教えるというレッスン。
「それって、なんとなく鹿児島にもつながると思う。個性を生かす、鹿児島のいいところを生かす」と語るヒラノさん。
新しいものを取り入れるのもとてもいいけれど、今あるすばらしいものを生かして、それを遠くに飛ばすということができたらなと思って活動中だそう。
ヒラノさんは、鹿児島産の原料を使ったスキンケアブランドも立ち上げました。鹿児島にあるいいものを取り入れて、それがモノになることで遠くに飛ばすことができる。鹿児島のいいものを遠くに飛ばすことができるというのは、今までなかった感覚だったので、このプロジェクトがとても楽しくなってきていると話すヒラノさん。
ヒラノさんが鹿児島に求めるもの
現在、東京と鹿児島の2拠点生活をしているヒラノさんは、ちょっと東京に行くときは気合を入れておしゃれして向かい、鹿児島に帰ってくると、温泉に行ったり、海に行ったりして、自分をリラックスさせ、リフレッシュさせることで、デトックスができる。そんな場所としての鹿児島こそが、ヒラノさんにとっての、鹿児島の鹿児島たる所以なのかもしれません。ヒラノさんのお友だちも、都会でできないことを鹿児島に求めて鹿児島を訪れるのだそうです。
「都会でできないこと」「鹿児島ならではのもの、体験」。これって、大きなヒントだと感じます。
「鹿児島がこうなったらいいな」
鹿児島を世界一美人の多い街にするという計画の一環として、「鹿児島美人計画」を開催するヒラノさん。最近は、県外の女性をきれいにする機会もすごく増えてきて、「鹿児島の女性だけを」とは言えなくなってきたのですが、「鹿児島に来れば、ヘルシーで美しくなれる」とか、「鹿児島の女性ってなんかきれいだよね」ってウワサを広めて、男性にもたくさん来ていただきたいし、女性にも「鹿児島の温泉に入るときれいになるらしいよ」とか、「婚活にいい神社があるらしいよ」とか、鹿児島に行けば美しくなれるっていう、そんな場所にしていけたらいいなと思っているそうです。
アイラインを引くのが苦手という女性はわりと多いのですが、ヒラノさんは、そんな人には「点と点をつないで線にしてください」とアドバイスするのだそうです。すると、皆さんきれいな線を描けるのだそう。初めから線を引こうとすると、躊躇したり、怖くて踏み出せないけれど、点と点をつないで描くとうまくいく。
これはどんなことにも言えることで、例えば、ひとつひとつの活動や、ひとりひとりの人、それがいつか線になってつながって、何か形のあるいいものやパワーになればいいなあと思っていますとヒラノさん。きっとそんなふうに点と点をつないで何本もの線や線をつなぎ、また、いくつもの面を生み出してこられたのだろうなと感じました。
《ヒラノさんからのディスカッションテーマ》
最後に、ヒラノさんは持参のパネルを提示します。そこには鹿児島の地図。
そして、もう一枚は「鹿児島美人計画」のロゴ。
その2枚を比べてみてください、とヒラノさん。
1枚は普通の「鹿児島県」のただの地図。でも、鹿児島美人計画のロゴには、地図上では海にあたる部分に白く女性の顔が浮き出ています。桜島が目、鹿児島県本土は髪、離島の島々は首にまとった宝石のよう。
「ただの地図として見たら見えないものも、こうやって女性の顔として見るとステキなものに見えませんか?」と話すヒラノさんですが、その発想の美しさにも感銘を受けました。また、今まで鹿児島県に女性の顔が隠れているなんてついぞ気づいたことがなかったので、まさに目からウロコの気分でした。
「こんな感じで鹿児島の美しいものをみんなで探してもらいたえるとうれしいです」
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鹿児島の美しいもの、鹿児島ならではのすばらしさ。
鹿児島を離れているからこそ、そのすばらしさが際立つのかもしれません。
でも、ここに住んでいる私たちがそれを見つけ出し、その魅力を発信していかなければ、と強く感じたスピーチでした。
皆さんも、鹿児島ならではの美しいもの、ここだからこその魅力を、いつもとは違う視点で探してみてください。
次回は、「【開催レポート】かごしま語っ場― 2017 Part2」と題し、ミッチェル・ステープルトンさんのスピーチをお届けします。
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