【開催レポート】かごしま語っ場―2022
教えて博士!「気候変動の今」
~個人や企業にできることは?~ Part3


去る3月1日に開催された「かごしま語っ場ー」。
この【開催レポート】では、ゲストスピーカーの大岩根さんのお話の概要と会場での質疑応答についてシリーズでお伝えしていきます。
前回は、大岩根さんのお話から
 
◎ これからの地球はどうなるのか

◎ 1.5℃報告書

◎ 気候の悪循環を止めるスイッチ
 
についてお伝えしました。まだお読みでない方はこちらからご覧ください。

 

さて、今回は

◎ カーボンバジェット ~気温上昇を抑えるためのCO2排出量上限~

◎ お肉の生産により排出されるCO2

◎ 牛肉生産の際の温暖化ガス排出量が高いワケ

についてお伝えします。

カーボンバジェット ~気温上昇を抑えるためのCO2排出量上限~

 

 
前回のお話で温暖化の悪循環を止めるために気温の上昇を1.5℃に抑える必要があるということでした。では、数字にして二酸化炭素排出量の許容量はあとどれぐらいなのでしょうか?

上の画像にあるように「83%の確率で1.5℃に抑えるために排出できるCO2はあと300Gt (ギガトン)なのだそうです。現在、年間約40ギガトン以上の二酸化炭素が排出されています。このペースでいくとあと7年で300ギガトンに達すると言われているのです。それぐらい私たちは切羽詰まっているところにいます。

例えば、二酸化炭素の量を今年半減させたとしてもあと14年で二酸化炭素排出量の許容量を超えてしまいます。

2030年までに二酸化炭素の排出量を落とすためには大きな変化が必要です。1960年~1970年代ごろの排出量に戻す必要があるのです。それは単純に生活を昔に戻すのではなく、しっかり断熱する、効率よく使う、無駄なことは省くなどが含まれ、石炭火力エネルギーよりは再生エネルギーが推奨されます。

現在、気候危機 (「気候変動」よりもより緊急性を上げて使われるようになった言葉で、英語では「気候非常事態」を意味する「Climate crisis」「Climate emergency」などと呼ばれています) と言われていますが、本当の気候危機になるのはこれからなのです。そしてそれは我々がこれからどうするかにかかっています。

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お肉の生産により排出されるCO2

 

ノーベル物理学賞受賞者の真鍋淑郎先生が研究されていたのが二酸化炭素の上昇と温暖化の関係です。50年前から温暖化に二酸化炭素が原因しているということが分かっていたわけです。それなのに止まらずにここまできたのはなぜでしょうか? それは平たく言うと我々全員の衣食住や企業活動そのものが関わっているからです。

例えば牛肉。2006年の国連の報告書によると、「畜産を通じて排出される温室効果ガスがすべての人間活動の中で一番多い」とあります。地球上の大型生物のなかで野生動物はたったの9%しかおらず、64%が家畜類、人間が関わっているものが91%になるそうです。これは人類が多くの家畜を育てていることを意味します。そしてそれが多くの温室効果ガスが排出する原因となっています。

多くの動物の中でもっとも多くの温室効果ガスを出しているのは牛です。お肉1㎏を作るのにどれぐらいの温室効果ガスが出ているかを示したグラフ(下の画像)を見ると、生産方法などのいろいろな条件によって幅はありますが、牛肉は中央値で290、豚は50です。
 

 
これだけで見ても牛肉を生産するのに豚肉の6倍の温室効果ガスを出すことが分かります。

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牛肉生産の際の温暖化ガス排出量が高いワケ

 

その理由は、海外での大規模生産にあります。例えばアメリカ合衆国では実に広大な土地で牛が育てられており、その牛が食べている作物は周りの莫大な面積の畑で作られています。その畑は人間が水をやっているところ以外は草が生えていない、といった場所です。そこでトウモロコシなどの飼料を超大型の農機具を使ったり、農薬を撒くのに飛行機まで使ったりしています。これは、現在はドローンになっていると思いますが、そういった方法で牛を育てているわけです。さらに生産された牛肉を冷凍して日本まで持ってきて私たちがおいしいと言ってハンバーガーを食べています。。その過程で大量の温室効果ガスが出るのです。
 

 
アメリカには現代、確か4社ほどしか牛肉業者がなく、そこにすべて集約されています。超大型の畜産業者がすべてを集約して1か所で生産し、それをあの広大な全米にばらまくといった構図ができ上っています。輸送距離が延びることにより、二酸化炭素排出量も莫大になります。また、牛はゲップするとメタンガスが出ます。メタンガスは温室効果がCO2の20倍なのでこれも温暖化につながっています。

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今回は私たちにとって身近な食べ物についてのお話でした。お馴染みのファストフードが私たちのもとに届くまで多くの温室効果ガスを排出していることは驚きです。
 
次回は、

◎ 温暖化による深刻な影響

◎ 温暖化の負のスパイラル

◎ 「せーの」で解決しよう!SDGs

についてお伝えします。

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カテゴリー : text , かごしま語っ場ー

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