【開催レポート】鹿児島の豊かな未来を考える
「かごしま語っ場―2024」Vol.1
~マイノリティーも自分らしく生きられるまち~


今回で11回目となったかごしま語っ場―。
毎回、すてきなゲストスピーカーにお越しいただき、そのスピーチに関連したお題をグループでディスカッションしています。ゲストスピーカーのスピーチ時間は10分から15分。その時間にぎゅっと凝縮されたスピーカーの経験に基づいたアイディアや疑問、提言のシェアには毎回感謝でいっぱいです。

私たちの暮らしている鹿児島がこれからどうしたら住みやすく魅力的になっていくかというところをみんなで語り合いながら、その問いをじっくり考えて自分なりの答えに近づいていくような場になればというのが開催の趣旨です。

さてさて、今年の「かごしま語っ場―」もお二人の素敵なゲストにお話しいただきました。その内容や様子をお読みいただけると幸いです。

 


 

 

「かごしま語っ場―」は二部構成

 


 

「かごしま語っ場―」は第一部の参加型トークセッションと、第二部の交流会で構成されています。
第一部は、当協議会の中尾会長のあいさつで開会、続いて久保理事の会の進め方の説明。そして、ゲストスピーカーに10分~15分のキーノートスピーチを行っていただきます。スピーチの最後にゲストスピーカーが参加者に投げかける「お題」を少人数グループで話し合います。話し合った内容はあえて発表はしてもらいません。文化、立場などが異なるおひとりおひとりに自分なりの答えを探っていただきたいからです。

第二部は、バイキング形式のお料理や飲み物を楽しみながら、好きな席で、話したい人たちと自由に歓談。出会いたかったご縁がつながったとの声も聞かれる交流会です。当協議会の顧問や理事が、毎年人気のすばらしいワインやビール、ソフトドリンクを寄付するので、参加費以上のオイシイ思いができるのも魅力です。

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今年のゲストスピーカー

 


 

第一部のゲストスピーカーは、レベッカ・レヴェックさんと古木圭介さんのお二人。

レベッカ・レヴェックさんは、15歳で日本語の勉強を始め、ワシントン大学卒業後、鹿児島市のCIR (国際交流アドバイザー)として働き始めました。会話はもちろん、日本人と変わりなく日本語の読み書きをこなすレベッカさんが鹿児島で暮らすなかで感じていることをお話しいただきました。

古木圭介さんは、1966年に鹿児島で旅行会社・グローバル・ユースビューローを設立。「初めての海外旅行はグローバル・ユースビューローで行った」という方も多いのではないでしょうか? さらに知覧カントリークラブの立ち上げ、鹿児島サンロイヤルホテルの再建、肥薩おれんじ鉄道の経営、鹿児島県観光プロデューサーとしてインバウンドの促進など、長年観光に携わってこられた経験からこれまでとこれからの鹿児島の観光についてお話しいただきました。

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レベッカ・レヴェックさん「マイノリティーも自分らしく生きられるまちに」


 

私は宇宙人?

 


 

「鹿児島市に住む外国人の数は増えています。」とレベッカさん。それでもその割合は鹿児島市の総人口の1%にも満たない数で、マイノリティーであり、いまだに特殊な存在、「外の人」として見られがちです。

日本には「私たち=日本人」「彼ら=外国人」という意識があるように思われるとレベッカさんは続けます。実際にレベッカさん自身、じろじろと見られることがあり、「私は宇宙人?」と感じてしまうことがあるそう、また、小学生などから「Hello」と声をかけられることは嬉しい半面、同時に疎外感を感じるそうです。ご自身、日本語を使うのが好きで日本語で話すのが好き。にもかかわらず、「外国人という属性」で日本語ができないと思われ、そのように扱われてしまう。「日本語が話せるレベッカ」である前に「日本語が話せない外国人」として見られていると感じています。

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「外国人」としてでなく「レベッカ」として

 

さらに、レベッカさんは続けます。
初対面の相手に「私個人」としてでなく、「外国人」「アメリカ人」として興味を持たれる気がする。「なぜ日本語を勉強しようと思ったのか」と聞かれるとき、本当に私に興味があるのか、私が外国人だからとりあえずそういった質問をするのか分からなくなることがあるとのこと。

また、「アメリカではどうか?」などの質問には困ることがあるそうです。理由は、答えは人それぞれだと思うから。そういった質問は恐らく「アメリカのふつう」を尋ねているのだと思うと話します。

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「ふつう」って何?

 


 

 

でも、「ふつう」って何?

様々な人がいて様々な要素があり、人それぞれ「ふつう」の概念も異なるはず、とレベッカさん。
「普通は~」とばかり考えているとマイノリティーの不確かさにつながると彼女は言います。

日本にも多様な人がいて、今は「多様性の時代」と言われますが、最近になって人々が多様になったのでなく、それが以前より許されるようになったのだと思うとレベッカさん。

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結婚について

 


 

「結婚してずっと鹿児島に住みませんか?」とレベッカさんはよく聞かれるそうです。 おそらく悪意なく発している言葉だと思いますが、レベッカさんはどうしてもこの質問にもやもやしてしまうそう。なぜなら、彼女はレズビアンで女性が恋愛対象だから。また、結婚制度にも疑問をもっており、結婚をするとは限らないとのことです。

このように、自分がもつ既成概念は相手に通じないこともあるし、あるいは相手を傷つけてしまう可能性もある。「自分と同じ価値観だろう」「こういう属性の人だから」と決めつける前に、相手の話をよく聞き、相手を個人として理解しようとして、さらに自分の立場を理解してもらって対応することが大切なのではないだろうか、と。ひとくくりにしたり、大きなグループでまとめたりすると、偏ったレンズでしか人を見れなくなり、壁ができてしまうと感じる。ひいては相手と通じ合うことが難しくなるとレベッカさんは話します。

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本当に相手を理解するためには

 

相手を本当に理解するためには、その人を属性で見るのではなく、その人が置かれている社会的立場も加味して、ひとりの人間として理解しようと努めることがカギになるのではないか。
同じ外国人でも、私さんとは逆に「Hello」と話しかけられること、国のことを聞かれることが好きな外国人もいると思うとレベッカさん。この話は私個人としての考えで、それも、個人として見てほしいと。

 


 

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参加者へのレベッカさんからのグループ・ディスカッション課題

 


 

― 属性でなく、個人として相手を理解するには? ―

レベッカさんから投げかけられた「『外国人』『日本人』『女性』『男性』などのさまざまな属性でみるのでなく、どうしたら個人として見て、理解しあえるのか」という問いについて、4人~6人ほどの各グループでディスカッションしました。それぞれグループは初対面同士が多いなか、すぐにディスカッションが始まり、15分制限時間が過ぎて、司会者がストップをかけても、どのグループもなかなか輪が崩れず話し合いに興じていました。

「個人として相手を理解する」ことに関して、それぞれの深い考えや発見があったようです。
これをお読みの皆さんも、「外国人」「日本人」などの属性でなく、「個人」として相手を理解することについて考えていただけると嬉しいです。
そして、鹿児島が市民レベルで性別、肌の色や、宗教等で相手を見るのでなく、「ひとりの個人」としてお互いを理解できる日が来るといいなと思います。

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カテゴリー : text , かごしま語っ場ー

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2025.01

 
  
   

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