3回シリーズで伝えする「かごしま語っ場ー2016」開催レポート。今回は最終回です。
「鹿児島の日常の中から、外国人がおもしろいと思うストーリーを探してください。」というアレックスさんの宿題の答えは見つかったでしょうか?
今回の西野さんのスピーチにそのヒントが見つかるかもしれません。
西野友季子さん
経歴
大正時代に創業のホテルニューニシノの代表取締役の西野さんは、当鹿児島国際化推進協議会ともとても縁の深い方です。鹿児島純心女子短期大学を卒業後、イギリスで語学やアートを学んだ西野さんが鹿児島に戻って就いたのが鹿児島国際化推進協議会の仕事。外国人向けの観光案内や英字情報誌の発行などに13年間携わりました。
さらに、2006年から3年間はNHK鹿児島放送局で総務広報を担当と異なった職場を体験し、家業のホテル業に携わるようになるのですが、イギリスでの体験を含めいずれの仕事での体験も今につながる貴重な体験だったと西野さんはおっしゃいます。
イギリスで出会ったさまざまな人々、訪れた場所、いろいろな世界を知ったこと、当鹿児島国際化推進協議会の仕事で取材を通して得たことなどは今の活動や仕事に生かされているのです。
鹿児島でのホテル経営とかごしま魚市場ツアー
前述の通り、西野さんが代表取締役を務めるホテルニューニシノは大正初期創業の老舗です。しかし、チェーンホテルや宿泊形態の多様化などにより、地元のホテルは大変な時期にあります。何もしないでいてはこの状況を乗り切ることはできないと考えた西野さんたち鹿児島県ホテル旅館組合青年部は、7つのホテルが連携し、県漁連や鹿児島市魚市場の協力を得て宿泊客を対象とした「かごしま魚市場ツアー」を3月から11月の毎週土曜日に開催。予約制で宿泊客だけでなくだれでも参加できます。この「かごしま魚市場ツアー」は今年で6年目。世界的な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」にも掲載され、初めのころは3~4割だった外国人参加者が、今では8割までに増えたそうです。
魚市場の協力
西野さんたちが開催している「かごしま魚市場」ツアーは、市場の協力のもと、まぐろの解体ショーや新鮮な刺身の試食など、個人での魚市場見学では決してできない体験が魅力のツアーです。しかし、何よりもすごいのは鹿児島県漁連の宮内さんによる魚市場ガイド。旬の魚のあれこれ、漁法、食べ方、スーパーでは目にしない高級魚の話など、まさしく市場ならではのお話を生で聞け、鹿児島だからこそのディープな魚市場を体験できます。参加者からも「築地と比べてフレンドリーであたたかい感じがする」「漁港が近くて水揚げも見られる」「近くで見聞きできるので臨場感がある」など好評です。
これもひとえに県漁連の宮内さんはじめ、魚市場の協力があってこそのものです。魚市場ツアーを続けていくなかで、西野さんたちが少しずつ築いてきた魚市場の方々との関係は本当に貴重なものだと感じます。
ところで、宮内さんと西野さんは流暢な英語を話されます。外国人に人気なのもうなずけます。
「食は旅のなかでも大切なもののひとつ」と西野さん。魚市場は地域の食文化を体験できる貴重な場所です。「続けてこられているのは参加者の笑顔がうれしいから」と話す西野さんの笑顔もステキです。
旅スタイルの変化と枠を超えたつながり
最近は団体旅行でなく個人旅行というふうに旅のスタイルに変化が見られます。また、ひととおり見てまわるだけの旅よりも体験型の旅が人気です。なかには、「暮らすように旅をしよう」と提案する民泊業者も出ています。
ホテル業にとって厳しい時代ですが、旅行する人たちのニーズに柔軟に対応したいと西野さんはおっしゃいます。そして、ホテルと市場が協力してかごしま魚市場ツアーを開催しているように、枠を超えたつながりを大切にし、自分自身もいろいろな世界を知っていきたいという意欲に燃えています。
多くを知ることで自分の世界も広がっていく。そして、そこから始まることがきっとあるはず。
私たちにも鹿児島のさまざまな歴史、文化、食、場所、伝統、習慣などなど、まだまだ知らないことは数多くあることと思います。そんななかに鹿児島の魅力はまだ隠れているかもしれません。
第2部 交流会
鹿児島についてさまざまなことを知る方法に一つに人との出会いがあると思います。
「かごしま語っ場ー」の第2部の交流会はまさしく人と出会い、各々が思い描く鹿児島について語り合う場。今回の交流会でも多くの出会いが生まれました。
そして、すごいのはつながりたい人とつながれるということ。参加してくださった方々も「こんな人とお会いしたかった」という方とつながるきっかけになったとおっしゃってくださいます。
きっと、鹿児島を思う気持ちがお互いを引き寄せあっているのでしょう。それを実感できた会となりました。
また、地域をよくしようという情熱と実行力をもった方々が集ってくださった会でした。
食べきれないほどのおいしいお料理と、当協議会の理事が準備したスナック類やソフトドリンクにお酒を堪能しながら、交わす会話は格別でした。
涼しい風を受けながら、話し尽きない夜を過ごせて幸せな夜となりました。
すばらしいキーノートスピーチをしてくださった須部さん、アレックスさん、西野さん、本当にありがとうございました。
そして、「かごしま語っ場ー」にお越しいただいた皆様、ご参加いただいたこと、出会えたことに心から感謝いたします。
また、会場準備やおいしいお食事で心地よい場を提供してくださったマルヤガーデンズのガーデンテラスのスタッフの方々にもお礼申し上げます。
皆様、本当にありがとうございました。
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